軌道エレベーターの理想と現実
アーサー・C・クラークが「楽園の泉」を書いてからもう20年になるだろうか。
実際問題軌道エレベーターを作るとしたら、赤道のあたりに作るしかない
わけで、しかも材料としてはカーボンナノチューブぐらいしかないわけ
だから、軌道エレベーターを題材にしたら似たり寄ったりになってしまう。
それは、チャールズ・シェフィールドの「星々にかける橋」でもそうだったし
(彼はこれで盗作疑惑をかけられたが、それは偶然の一致だったわけだ
とクラークが解説している。ただクラークが俺のが科学的に正しいって
言ってるのにはちょっと笑った)、現実に軌道エレベーター作るにしてもだ。
世の中には、軌道エレベーターを作ることを真剣に考えている人がいる。
そして、軌道エレベーターをどうすれば作れ、管理でき、有効に活用できる
かを討論している。
カーボンナノチューブが無ければアホな話だで済んだだろうが、こいつが
実現した以上、机上の空論というのも言い過ぎではある。
とはいえ10万kmの長さの紐が必要なわけだ。
1m0.1gの糸で10tの重量になる。まず10tの糸だぞ。
こいつを静止衛星軌道の向こう、10万kmにもっていかないといかん。
で、おもむろに地球にゆっくりたらす。時速100kmくらいでいいか。
蜘蛛の糸みたいだ。糸が地球についたらしめたものだ。
その糸を伝って別の糸を10万キロ向こうにまで持っていく。
これを繰り返す。大量の糸が地球と10万キロ上空を結ぶ。
軌道塔ならぬ軌道糸だな。
蜘蛛型ロボットに糸を持っていかせたいな。
なんかしかし、芥川竜之介の「蜘蛛の糸」を思い出した。
この世は天国じゃないが、いくらなんでも地獄じゃないだろ。
軌道塔もいいけれど、ぶっちゃけロケットなんぞ使わず
地上から大砲みたいなんで衛星打ち上げたらいいんじゃないか?
…そういう考え方はマスドライバーシステムというわけなんだが。
秒速7.8kmで十分衛星軌道に乗せられるから不可能ではない。
人は乗せられないが、耐G性能が高い機械なら十分可能だろ。
なにより軌道塔よりもロケットよりも安い。
人のいないところに作ったらいいんじゃないか?
今のロケットなんて、膨大な燃料でやっとこさ少しの荷物を宇宙に
あげているわけで。だから安全性もクソも無いわけで。
金もかかってしょうがないし。
スペースシャトルなんかも、安全性なんてそんな高いわけじゃなし。
脱出装置なんて無いわけだしな。
荷物は全部マスドライバーで打ち上げられるようになったら、
宇宙開発も安上がりだろう。
とっとといいマスドライバーを作らないと話にならない。
ただま、マスドライバーっのは一歩間違うと大型兵器に早変わり。
マスドライバーで石ころ地上から打ち上げて、大都市攻撃なんてしたら
核兵器にも匹敵する。目も当てられんぞ。
…どこかの国がマスドライバー作ってアメリカ攻撃とかしたりしてなあ…。
もちろんアメリカは核で反撃して人類滅亡だな。
結局兵器としては核並に使えない。
マスドライバー同様、軌道塔も兵器としては恐ろしい存在であるわけで、
一歩間違うと人類滅亡もありうるぞ。
…旧約聖書のバベルの塔って軌道塔じゃあないよなあ…。
他のはこちら